2020.9.10 イオン飲料とむし歯に関する考え方
厚生省歯科疾患実態調査(平成11年,平成28年施行)によると,小児のむし歯は過去17年にわたり確実に減少している。すなわち,平成11年,平成28年のむし歯罹患率は 3歳児でそれぞれ36.4%から8.6%に,5歳児で64.0%から39.0%と減少している。これは,養育者などの口腔保健に対する関心が高まった結果と考えられるが,ここへきて新たな問題が発生している。小児は口腔衛生管理のよいグループと悪いグループに大別され,悪い方のグループでは本来むし歯になり難い下の前歯がむし歯になってしまうことが多いのである。この傾向は,乳幼児のみでなく学童にも認められている。そして,この原因の1 つとしてスポーツドリンクの飲み方が関係していると考えられている。
スポーツドリンクはイオン飲料のひとつとされているが、同じくイオン飲料に分類される経口補水液と比較して糖分が多いことが特徴である。
むし歯の発生にはいろいろな原因が考えられるが,イオン飲料の飲ませ方の問題点と対策についてまとめた。